アルピーヌ パッション 完全アルピーヌ・ガイド
アルピーヌA110 トランスミッション

A110のミッションは全部で5種類ある。

すべて形式番号で呼ばれ、上の3種類が
スイングアクスルのサスペンション用である。

この形式番号の下に二桁の番号がつけられ、
それらで細かな仕様がわかるようになっている。


330

最初にA110に積まれたR8の4速ミッションである。
最後期の1300VCまで使われた。
この時代の大衆車のミッションとしては珍しく
すべてのギヤーにシンクロをそなえる。

353
R8ゴルディーニに積まれた5速ミッション。
1300G、Sに標準で詰まれ、1300VCにはオプションとされた。
また、クラッチハウジングを代え、1600Sにも使われた。
基本的には上記の330(4速ミッション)と同じで大きな5速専用カバーにして、そこに5速ギヤーを収めている。

364
1600Sに積まれた353ミッションの強度不足を補うために
開発されたミッションである。
特に壊れやすかったリングギヤーの径が拡大、強化され、
その部分のケースが膨らんでいるのが特徴だ。
リング&ピニオンギヤー以外は、353と同じ部品で組まれている。

その後、このミッションをベースに下記365の部品と、
低められたファイナルを組み合わせたモンテカルロと呼ばれる
クロスミッションが、競技用に開発され少数作られる。

365
ルノー12ゴルディーニ用に開発されたミッション。
1600SCやA310に搭載された。
この3車種にしか積まれなかったためか、パーツリストの間違いが多く、現在欠品が多いのが欠点である。

385
ルノー16TX用に開発されたミッション。
1600SXや、A310VFに搭載された。
R16TXは、穏やかな乗用車、A310VFも1600SXも
GT色が強くなったアルピーヌなので、
その他のミッションと比べると、少しギヤ比が高めで、強度があり、
最終後期型らしく丈夫なののが特徴。