アルピーヌ パッション 完全アルピーヌ・ガイド
パスカル・ガルチエ

 70年代初頭はベルリネッタが、
80年代初頭は5ターボが
ラリーで活躍し、フランス中が湧き上がりました

 C.A.R(クラブ・アマチュール・アンシエンヌ・ルノー)は、
フランスでもっとも大きなルノーの古い車のクラブです。
このクラブの設立は古く、1930年代です。

 その当時、すでに1900年初頭の車の部品などの入手が困難になっていたため、オーナー同士が集まって、クラブの設立に結びついたのです。
戦前の”クラシックカー”の部門、戦後の車”モデルヌ”の部門、そしてスポーツタイプの車だけを集めた”スポーツ”部門の3部門で構成されています。このスポーツ部門には、ルノー8ゴルティニ、アルピーヌベルリネッタ、310、5ターボ、などスポーツタイプの車たちがとして登録されています。

 年に何回か、いろいろなイベントを開いていて、中にはスポーツタイプだけのイベント、ルノーすべてのイベント、戦前のイベントなどあるけど、やはりスポーツタイプの車は今も最高に盛り上がっています。

 私自身は、A110と5ターボを持っています。ベルリネッタは70年代初頭に、5ターボ80年代初頭に、どちらもラリーで大活躍したから好きなのです。
この時代は、ラリーでフランス中が湧き上がりました。私もその一人で、当時の記憶は今も鮮明に覚えているくらいですよ。
その後もフランス車の活躍もみられますが、実際にユーザーが買える車はいまだにこの2台しかありません。


 110のイメージは「エレガントで強かった!」に尽きます。これに乗って多くのドライバーが競技で勝利しました。そして5ターボは、アグレッシブで強く、やはりドライバーを勝利に導いた車です。その2台は、自分たちが持っているのが誇りでもあり、喜びでもあります。自分の車はオリジナルだけど、できることなら永遠にオリジナルを保っていたいですね。競技車両は競技車両として残しておいて欲しいです。あまりチューニングとかは好きじゃないんですよ。

 私はルノーの部品供給部門の仕事をしています。自分がルノーだからというわけではないんですが、ベルリネッタをレストアする際に、できればルノーの部品を使って欲しい。ひどい部品をつける人がいるが、ルノー部品とはクオリティがぜんぜん違うんだから。安いだけで変な部品を選んでしまう人がいるんですよね。それでは出来上がった車はぜんぜん違う車になってしまいます。長い間車を持っていたいなら、あんまり無謀なことは絶対したくないし、してもらいたくないです!



profile:”C.A.R ”イル・ド・フランス地域の、スポーツタイプのセクションの代表担当者。