アルピーヌ パッション 完全アルピーヌ・ガイド
ジャンルネ・ジョルジョントゥーム


 アルピーヌを買ったのは、もう20数年前になるでしょうか。

 父親がブガッティのレーシングメカニックで、『車の中の車といえばやっぱりブガッティ』というムードが家の中にありました。でも、自分にとっては当時活躍していたベルリネッタがあこがれでした。

 アルピーヌのワークスチームがラリー・ド・バールにでるときには、うちのガレージを使って、ワークスチームがサービスをしていたこともあります。アルピーヌがうちのガレージに並ぶ姿は、今思い出しても壮観ですね。

 とても買える価格ではなかったアルピーヌ1600SXをようやく自分のものにしたのもその頃です。

 今もそのアルピーヌをちょっとずつ自分風に改良して楽しんでいます。最近では、GSのエンジンに、電子制御インジェクションといったものまでとりつけてます。これから走らすのが楽しみですね。でもご安心を。オリジナルの部品は全部横にとってあるので、いつでもオリジナルに戻せます。それにルノーのガレージを経営しているせいもあって、自分の必要な部品は全てストックしているんですよ。たまにない部品だけGBSにとりに行けば十分です。

 ちなみに、エンブレムはね。1600Gとなっていますが、これ、ジョルジョントゥームのGなんです。ゴルディニ?なんて聞かれることもあるけど、そんな意味じゃないですよ。第一そんな車あるはずないですからね。
年に1回この車でラリー・ド・バールのツーリングクラスに出るのが楽しみです。

 今は息子がこのガレージをついで、5ターボでツール・ド・コルスなんかに出場していて、これからが楽しみです。気が付いたら親子3代のスポーツカー好きガラージストになってしまいましたね。

 ブガッティとアルピーヌの違いですか? まずどちらもフランスを代表する車ってことですね。技術的にブガッティは、アルピーヌに勝るとも劣らないものをもっていますが、そこは古い車。速いとはいえません。特にブレーキ、シャーシなんかには格段の差があって、ワイヤーできくブレーキなんかは、現代の路上では怖いからゆっくり走らないとね。


profile: 父親がブガッティのGPメカニック。
その後、ラヴァンドゥにガレージを設立。
親子でメイユール(最高級)ガラージストとして表彰されている名ガラジスト。